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中国、豪の作家に死刑判決 執行猶予付き スパイ容疑で拘束 - 毎日新聞

作家のヤン・ヘンジュン氏(左)と妻=Chongyi Feng提供・AP 拡大
作家のヤン・ヘンジュン氏(左)と妻=Chongyi Feng提供・AP

 オーストラリア外務省は5日、北京の裁判所が、スパイ容疑で拘束されていた中国系オーストラリア人作家のヤン・ヘンジュン(中国名・楊恒均)氏に執行猶予付きの死刑判決を言い渡したと明らかにした。豪州のウォン外相は同日「豪政府はこの決定に大変驚いており、最も強い言葉で我々の対応を伝える」とする抗議の声明を発表。中国と豪州の関係が再び冷え込む可能性もありそうだ。

 執行猶予付き死刑判決は、問題がなければ2年後に無期懲役に減刑される。ウォン氏は「豪政府は中国に対し、一貫して手続き上の公平性や人道的処遇を求めてきた。今後もヤン氏への支援の手を緩めることはない」と強調した。

 中国外務省の汪文斌副報道局長は5日、定例会見で判決について「人民法院は法に基づき厳格に審理した。またヤン被告の裁判上の権利を十分に保障し、豪州側の領事権を尊重し、判決を傍聴できるよう手配した」と述べた。

 ヤン氏は中国出身で中国外務省などで勤務した後、2000年に豪州国籍を取得。スパイ小説を執筆するほか、政治問題などを論じるブロガーとしても知られていた。

 19年1月、米東部ニューヨークから中国南部・広州に到着した際、当局によって拘束され、同年8月にスパイ容疑で逮捕された。20年10月に起訴されたが、当局は具体的な起訴理由を明らかにしていない。一部の豪メディアはヤン氏がかつて中国でスパイの取り締まりを担う国家安全省に所属していたとも報じている。

 対中関係を巡っては、豪州のモリソン政権(当時、自由党)が20年、新型コロナウイルスの起源について国際的な調査を求めたのを機に関係が悪化。政権交代を経て、22年に就任したアルバニージー首相(労働党)が23年11月に訪中するなど関係改善を模索した。今回の判決で、再び悪化に転じる可能性もありそうだ。

 中国の習近平指導部は近年、「国家の安全」を最優先事項に掲げ、監視や統制を強めている。23年3月には、アステラス製薬の日本人男性社員がスパイ容疑で拘束されたほか、同年7月にはスパイ行為の定義を拡大する改正「反スパイ法」が施行されており、中国に駐在する外国人の間で懸念が強まっている。【北京・岡崎英遠】

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