ウクライナメディアは24日、同国北部のチェルノブイリ原子力発電所の立ち入り制限区域にロシア軍が侵攻したと報じた。原発近くでウクライナ軍との戦闘が起きている。同国の内務省高官は核廃棄物貯蔵施設が攻撃されれば、放射能汚染物質が欧州に広がる恐れがあると懸念を表明した。
チェルノブイリ原発では旧ソ連時代の1986年に爆発事故が起き、大量の放射性物質が飛散した。半径30キロメートル圏内は立ち入り制限区域に指定され、鋼鉄製シェルターで事故機を覆った2016年以降も内部で処理作業が続く。
原発は首都キエフから北に約100キロメートルに位置する。ロシア軍がベラルーシなどウクライナの北方から侵攻し、キエフへ向かっている可能性がある。同国のゼレンスキー大統領も「ロシア軍がチェルノブイリ原発を奪取しようとしている」とツイッターに投稿した。
ウクライナでは現在、国内4カ所で15基の原発が稼働する。ロシア軍の攻撃により原発が損傷を受ければ、周辺地域にも甚大な被害を及ぼしかねない。
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