バイデン氏、１０６８兆円の予算教書を公表…中間層の負担軽減を重視 - 読売新聞オンライン

　【ワシントン＝田中宏幸】米国のバイデン大統領は１１日、２０２５会計年度（２４年１０月～２５年９月）の予算編成方針や財政見通しを示す「予算教書」を公表した。歳出は２４年度比４・７％増の７兆２６６０億ドル（約１０６８兆円）とした。富裕層や大企業に負担増を求め、財政赤字を今後１０年間で３兆ドル超削減する方針を掲げた。

　予算教書は１１月の大統領選に向けたバイデン氏の事実上の公約となる。中間層の負担軽減を重視し、社会保障やメディケア（高齢者医療保険）の給付維持や薬価の引き下げ、子どもの貧困削減に向けた児童税額控除の復活などに取り組む姿勢を強調した。

　２５年度の財政赤字は１兆７８１０億ドルで、国内総生産（ＧＤＰ）比では６．１％と前年度から０・５ポイント縮小するとした。歳出総額は拡大傾向が続き、３４年度には１０兆３２６０億ドルに達すると見込んだ。

　財政健全化に取り組む姿勢も強調した。純資産１億ドル以上の超富裕層の所得に２５％の最低税率を設けるほか、２２年８月に成立したインフレ抑制法で導入された１５％の最低法人税率を２１％に引き上げる方針を示した。

　米国では予算編成権を議会が握っている。予算教書は政権の予算編成方針を示したもので、審議のたたき台となる。下院多数派の野党・共和党は増税に批判的で歳出抑制を求めており、審議が難航する可能性もある。２４年度予算も与野党の対立により、いまだに一部しか成立していない。

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