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メタ、暴力的な内容の投稿を一時容認 ウクライナなどで - 日本経済新聞

SNSを情報戦の武器とみる各国がメタへの圧力を強めている(米カリフォルニア州の本社)

【シリコンバレー=奥平和行】SNS(交流サイト)のフェイスブックなどを運営する米メタは10日、暴力的な内容の投稿に対する規制をウクライナや周辺国で緩めたことを明らかにした。従来は禁じていた「ロシアの侵略者に死を」といった投稿を容認する。戦時下の一時的な措置との位置づけだが、議論を呼ぶ可能性がある。

メタの広報担当者が同日、ツイッターを通じて「ロシアのウクライナ侵攻を受け、暴力的な発言など通常は当社の規則に違反するような政治的な表現を一時的に許容することにした」と説明した。具体例として「ロシアの侵略者に死を」と明示する一方、民間人を対象とした暴力行使の呼びかけは認めないとしている。

メタは10日までに、コンテンツの監視担当者に電子メールで規制を緩める方針を伝えた。ロイター通信によると、ウクライナ国内に加え、ルーマニアやポーランドなどの周辺国が主な対象地域で、ロシア国内も含む。フェイスブックに加え、メタが運営する画像共有アプリのインスタグラムも対象とする。

メタは規約で暴力をあおる内容の投稿を禁じ、違反に対しては投稿を削除し、アカウントを凍結するといった対策を講じてきた。2021年1月に米連邦議会議事堂の占拠事件が起きると投稿の管理体制が不十分だと批判を浴び、担当者の増員や人工知能(AI)の活用などにより監視を強めてきた経緯がある。

同社が規制を緩めた背景には、戦時下でSNSの果たす役割が大きくなっている事情がある。調査会社のスタットカウンターによると、22年2月のウクライナのSNS市場におけるフェイスブックのシェアは約40%で首位だった。ロシアでも20%近くを確保して2位につけ、情報戦の武器として重視する各国が圧力を強めている。

ウクライナはロシア側がフェイスブックなどを使って誤情報を拡散しているとみており、メタを含むSNS運営企業にロシア政府系メディアを締め出すことを要請した。一方、ウクライナはロシア市民に侵略の実情を伝える活動に力を入れており、ボルニャコフ・デジタル転換副大臣は取材でSNSを利用していると説明した。

メタがウクライナなどの要請に応じてロシア政府系メディアの排除に動くなか、ロシア当局はこうした行為が連邦法に違反するとしてアクセスを制限した。今月4日には遮断したと発表している。既にロシア国内ではフェイスブックへのアクセスが困難になっているが、今回の対応によりロシア側がメタへの締め付けをさらに強める公算が大きい。

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