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マリウポリ死者5000人か ウクライナ側推計「戦争でなく大量虐殺」 - 毎日新聞 - 毎日新聞

ロシア軍戦車の砲撃を受け爆発する集合住宅=ウクライナ南東部マリウポリで3月11日、AP 拡大
ロシア軍戦車の砲撃を受け爆発する集合住宅=ウクライナ南東部マリウポリで3月11日、AP

 ロシア軍による侵攻が続くウクライナ南東部のマリウポリの市当局は28日、露軍の包囲が始まった3月1日からの27日間で子供約210人を含む約5000人が死亡したとする推計を発表した。ウクライナメディアが報じた。

 人道危機が深刻化する同市の状況についてウクライナのベネディクトワ検事総長は「ジェノサイド(大量虐殺)に当たる」との認識を示し、露軍を強く非難した。ウクライナメディアによると、マリウポリでは包囲前に約14万人、包囲後には約15万人が避難に成功したが、今も市内には約17万人が取り残されているとみられる。このほか、市当局は市民約3万人がロシア側に「連行」されたと訴えている。市の推計では住宅や病院、学校などの約9割が露軍の攻撃により何らかの被害を受け、約4割は大破したとみられる。市内では今も戦闘が続いており、正確な死者数は確認できない状態という。

 ベネディクトワ氏はマリウポリの状況について「これはもはや戦争犯罪どころではない。戦争にはルールがある」と指摘し、「市内全てが人質になっている。水も食事も暖房もなく、避難しようとした住民の車列は攻撃される。(露軍に)連れ出された子供は2000人以上だ。これは戦争犯罪を超えている」と訴えた。ロシア国防省は「ウクライナの民族主義者部隊」が住民を「人間の盾」にしているなどと非難。露国内への住民避難を「自発的」で強制ではないと主張している。

 一方、ウクライナ軍の反攻が続くキエフ北西部のイルピンの市長は28日、同市がウクライナ軍に「解放された」と明らかにした。市内ではまだ露軍の掃討作戦が続いているとし、露軍の再反撃の可能性にも触れたが、「我々はここを守り抜く。イルピンはウクライナだ」とビデオ声明で訴えた。

 キエフ周辺では露軍による砲撃やミサイル攻撃が続く。キエフのクリチコ市長は28日、ロシア軍の侵攻以降、市内で少なくとも子供4人を含む100人以上が死亡したと明らかにした。82棟の高層マンションが破壊されており、死者数はさらに多い可能性があるという。クリチコ氏はウクライナ軍の抵抗で露軍の首都侵攻を阻止しているとし、「我々はロシア軍の『無敵神話』を打ち破り、彼らの(キエフ制圧という)目的を変更させることに成功した」とも強調した。

 29日にはトルコのイスタンブールでロシア、ウクライナ政府代表団による4度目の対面の停戦協議も開かれる予定だ。インタファクス通信によると、ロシアのラブロフ外相は28日、ウクライナの「非軍事化」と「非ナチ化」が停戦合意の必須の要素となるとの露側の立場を改めて強調。停戦協議を「ロシアにとって原則的な目的を達成する結果で終えることに関心がある」と強硬姿勢を崩さなかった。一方で「合意のチャンスはある」と歩み寄りへの含みも持たせた。

 一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は28日、停戦協議を前に英国のジョンソン首相と電話協議した。ジョンソン氏はロシア経済への圧力を強化する意向を表明。両者は今後も緊密に連携を取っていくことで一致した。【エルサレム三木幸治】

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