【ワルシャワ=蜘手美鶴】ロシア軍は19日もウクライナ南東部の港湾都市マリウポリでウクライナ軍と市街戦を続けた。8年前に併合したクリミア半島と東部の親ロ派支配地域の間の沿岸部を掌握する構えで、民間住宅を含めた無差別攻撃を展開している。マリウポリの市街地は食料や熱供給、水道が完全に途絶えた状況で人道危機が深刻化している。
◆食料、水道途絶え人道危機
グランディ国連難民高等弁務官は20日、ウクライナ侵攻による国内外の避難民が1千万人を超えたとツイッターで明らかにした。
現地報道によるとロシア軍は既にマリウポリ市街地に侵入。ウクライナメディアによると、ロシア軍は20日、高齢者や女性、子どもら約400人が避難するマリウポリ市内の学校を空爆した。校舎は大破し市民ががれきの下敷きになっているという。市議会は19日、ロシア軍が女性や子どもを含む住民数千人をこの1週間で拉致し、ロシア南部ロストフ州に連れ去ったと発表した。街の8割の建物は全壊したり、損傷を受けているという。
ウクライナのゼレンスキー大統領は20日、ビデオでの声明で「マリウポリの包囲は戦争犯罪として歴史に刻まれる。今後何世紀にもわたり人々に記憶されるテロ行為だ」と批判した。
空爆で破壊された市内の劇場で、数百人が地下に閉じ込められているとされる。民間人の犠牲者は市当局の発表で2500人を超えている。
ロシア軍は停滞する地上部隊に代わってミサイル攻撃を重視しており、ロシア国防省は20日、黒海上空から極超音速ミサイル「キンジャル」で、南部ミコラエフ州の燃料基地を破壊したと発表した。キンジャルの使用発表は2日連続。また黒海から海上発射型の長距離巡航ミサイル「カリブル」で軍用車両の修理工場を攻撃したとも明らかにした。
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