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ウイグル批判に華春瑩がアメリカの「奴隷」を持ち出し反撃 - Newsweekjapan

<ウイグル人の労働環境はアメリカの奴隷よりましと、歴史問題とのすりかえが始まった?>

先の米中外務・防衛相会談で新疆ウイグル自治区での人権抑圧を公然と批判された中国は、アメリカの人権問題を持ち出しての反論を強めている。

3月25日には、新疆ウイグル自治区で綿花の収穫作業を行うウイグル人らしい写真と、アメリカの奴隷制を示唆する深南部のプランテーション(大規模農園)の写真を比較し、アメリカの偽善を非難した。

中国外務省の報道局長である華春瑩は、ツイッターに20世紀初頭に撮影された米ミシシッピ州の綿花生産者の白黒写真を投稿。その隣に、新疆ウイグル自治区で綿花の収穫作業をするウイグル人とみられる労働者3人のカラー写真(宣伝用の写真にも見える)を並べ、「1908年のミシシッピ vs. 2015年の新疆ウイグル自治区」というタイトルを添えた。さらに、白黒写真の中央付近に写っている白人が銃を持っていることに言及して、「ショットガンと数匹の猟犬vs. 笑顔と収穫。強制労働はどっち?」と書き足した。

今週に入って、ウイグル族をはじめ、中国北西部に暮らす主にチュルク系の少数民族の扱いが米中間の大きな火種となっている。

人権擁護団体や国連の専門家らは、中国政府は少なくとも100万人のウイグル人を収容所に拘束し、ウイグル人の女性に不妊手術を強制したり、同地域にある広大な綿花農園などで強制労働をさせたりしていると非難している。新疆産の綿は、中国全体の生産量の80%以上を占める。

欧米が足並みを揃えて制裁を発表

ジョー・バイデン米政権は22日、新疆ウイグル自治区での人権侵害について責任があるとする中国の複数の当局者に対する制裁措置を発表。同じ日に欧州連合(EU)、カナダとイギリスも同様の措置を発表した。

中国政府はこれまで繰り返し、同自治区でのウイグル人拘束や強制労働の疑惑を否定。過激主義を撲滅するための「再教育施設」を提供し、貧困を和らげるために労働の機会を提供しているのだと主張してきた。

22日に欧米諸国が中国に対する制裁措置を発表すると、中国は直ちに反撃。欧州議会の議員を含む10人と、4つの組織(EU議会関連組織2つとシンクタンク2団体)に制裁を科すと発表した。

華春瑩の今回のツイートは、新疆ウイグル自治区での人権問題について国際社会の批判が高まるなか、自分たちの主張を前面に押し出そうという中国政府の試みの一環だろう。

中国は、銃による暴力や構造的な人種差別など、アメリカ国内にもある人権問題への批判を強めてきた。また強制労働によってつくられた綿を使わないと表明しているナイキやH&Mなどの欧米ファッションブランドを批判したため、国民の間で不買運動が燃え上がっている。

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