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中国、イランと25年間の包括協力協定調印 経済軸に対米共闘を強化 - 産経ニュース

テヘランで27日、中国の王毅国務委員兼外相(左)を会談に迎えるロウハニ大統領(イラン大統領府提供、AP)
テヘランで27日、中国の王毅国務委員兼外相(左)を会談に迎えるロウハニ大統領(イラン大統領府提供、AP)

 【イスタンブール=佐藤貴生、北京=三塚聖平】中東歴訪中の中国の王毅国務委員兼外相は27日、訪問先のイランで25年間に及ぶ両国の包括的協力協定に署名した。国営イラン通信が伝えた。中国は少数民族ウイグル族の弾圧や経済的威圧などで、イランは2015年の核合意をめぐって、それぞれバイデン米政権と対立しており、対米共闘を強化する狙いとみられる。

 同通信によると、王氏はロウハニ大統領やザリフ外相と会談。イラン外務省報道官は協定について「今後25年間の両国関係のロードマップ(行程表)」と位置付け、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」へのイランの参加など、経済面を中心に多岐にわたる協力強化が含まれるとした。

 協定は16年、イランを訪問した中国の習近平国家主席が提案した。協定について米メディアは昨夏、中国が第5世代(5G)移動通信システム構築などでイランに総額4000億ドル(約44兆円)相当を投資。中国は見返りに25年間、安価でイラン産原油を購入でき、兵器開発など軍事面でも関係を強化する内容だと報じた。

 中国はすでに、トランプ前米政権が科した制裁で低迷するイラン経済を支えている。米紙ウォールストリート・ジャーナルによると、中国のイラン産原油の輸入量は今月、前米政権が全面禁輸に踏み切って以降で最高となる日量90万~100万バレルに達する。米側では制裁を骨抜きにする輸入量という指摘も出ている。

 王氏のイラン訪問に向けて中国は、周到に準備を進めてきた。前米政権が離脱したイラン核合意への復帰を目指すバイデン政権を前に、調整役として存在感を示す狙いがあるためだ。王氏は中東歴訪直前の22日、中国南部の広西チワン族自治区桂林市でロシアのラブロフ外相と会談。この問題での共闘を確認している。

 イランは前米政権が科した経済制裁の解除をバイデン政権に求めているが、バイデン氏はイランが核合意の逸脱行為をやめるのが先だとし、隔たりは埋まっていない。中国は米国が先に制裁を解除すべきだとし、ロシアとともにイランを支援している。

 中国外務省によると、馬朝旭外務次官は25日、米国務省のマレー・イラン担当特別代表と電話会談。馬氏は「現在、イランの核情勢に幾つかの新たな変化が現れている」と述べ、米国に対して速やかにイラン側に歩み寄るよう求めた。

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