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ウクライナ、ロシアへの無人機攻撃強化か…SNSで資金集め航続1000kmの最新鋭機生産 - 読売新聞オンライン

 ロシア国防省はウクライナが10日未明、首都モスクワ方面に発射した無人機2機を撃墜したと発表した。モスクワを標的にした無人機の飛来は2日連続で、ウクライナが露本土への無人機攻撃を強化しているとみられる。露側もイラン製自爆型無人機の国内製造拠点の設置準備を進めているとされ、無人機の攻防が激しくなっている。

 モスクワ市長によると、10日未明にモスクワ南西のカルーガ州と、モスクワの中央環状道路付近に1機ずつ無人機が飛来した。タス通信などによると、無人機攻撃の影響で、モスクワ南郊のドモジェドボ、ブヌコボ両国際空港が離着陸を一時停止した。ドモジェドボ空港から約10キロ・メートル離れた自動車修理施設では10日未明、大規模な火災が発生し、無人機攻撃の可能性が指摘されている。

 露国防省によると、ロシアが2014年に一方的に併合したウクライナ南部クリミア半島セバストポリ方面にも10日未明、無人機11機が飛来したという。

 ウクライナは、露本土の無人機攻撃への関与を事実上、認めている。ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は7月30日のモスクワ中心部での無人機攻撃後、「戦争は徐々にロシア領土に戻っている」と述べ、露本土への攻撃を続けることを示唆した。

 露軍に比べて航空戦力で劣るウクライナ軍は昨年2月のロシアの侵略開始前から、無人機の積極活用に取り組んできた。ウクライナ政府は昨年5月、装備や復興などの資金を民間に募るサイト「ユナイテッド24」を設置し、今月4日時点で無人機約4100機、水上無人艇18隻を購入した。

 7月末のモスクワへの攻撃で使用したと指摘される無人機「ビーバー」は最大航続距離約1000キロ・メートルの最新鋭国産機で、価格は推計約400万フリブニャ(約1500万円)とされるが、SNSで購入資金を集めた。ウクライナは部品を調達して自国で無人機を製造しており、生産体制は軌道に乗っているとみられる。

 対する露軍も報復として、ウクライナへの無人機攻撃を強化している。ウクライナ西部リウネ州知事は10日、露軍の大規模な無人機攻撃で州内の石油貯蔵施設が炎上したと発表した。ウクライナ空軍によると、露軍は9日深夜から10日未明にかけて、自爆型機10機をウクライナに発射した。

 露軍は従来、有人機による攻撃を優先してきたため、国産の攻撃型無人機の開発で後れを取ってきたが、最近になって開発を急ピッチで進めているという。米高官は6月、ロシアが来年の完成を目指して、イランが設計した自爆型無人機の製造工場を中部タタルスタン共和国に建設する計画を進めているとの見方を示した。

 プーチン大統領は最近、露最大の国営軍産複合体「ロステク」トップに、低価格の国産自爆型無人機「ランセット」の増産を指示した。露軍はランセットをウクライナ軍が大規模な反転攻勢を進める南・東部の戦線に投入し、ウクライナ軍の進軍を阻止していると指摘されている。

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