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アフリカ・ガボンでクーデター 軍が大統領を自宅軟禁に - BBCニュース

Soldiers speaking on the Gabon 24 news channel

画像提供, AFP

中部アフリカのガボンで30日、軍高官らが政権を掌握したと宣言した。ガボンでは26日に大統領選があり、現職のアリ・ボンゴ・オンディンバ大統領が勝利を宣言していたが、この結果を無効にするとしている。大統領は自宅に軟禁され、助けを求める動画を公開した。

ガボンの選挙管理委員会によると、ボンゴ氏は3分の2弱の票を集めて3期目の当選を決めていた。一方、野党側は選挙に不正があったと主張している。

ガボンでは過去53年にわたり、ボンゴ一族が政権を握っていた。軍部による政権掌握は、この長年の統治を終わらせる可能性がある。

この日、兵士12人がテレビ演説を行い、選挙結果を否定するとともに、「共和国のすべての機関」を解体すると宣言した。また当面の間、国境を封鎖するとしている。

兵士らは、「移行・制度回復委員会」に属していると述べ、ガボンの治安部隊および国防軍を代表していると主張した。

テレビに登場した兵士の1人は、「現体制に終止符を打つことで、平和を守ることを決意した」と説明。今回の行動について、「無責任で予測不可能な統治が、社会的結束の継続的な悪化を招き、国家を混乱に導く危険性」に対処するものだと述べた。

この放送の後に、首都リーブルヴィルでは銃声が聞こえたもようだ。

BBCワールドサービスのウィル・ロス・アフリカ編集長は、このクーデターはおそらく 「終わった」状況にはなく、抵抗もあるだろうと分析した。

自宅軟禁

ボンゴ大統領は30日に動画メッセージを公開し、自宅軟禁状態にあることを認めた。

自宅で撮影したとする動画の中で、ボンゴ氏は支持者に「声を上げる」よう呼びかけた。

「息子はどこかにいる。妻は別の場所にいる(中略)何が起きているのかわからない」と英語で述べ、助けを求めた。

この動画の信ぴょう性を確認するため、BBCは、選挙期間中に大統領府に協力していた通信会社と連絡を取っている。この会社は、ボンゴ氏側から動画を広めるよう頼まれたとしている。

still from video of Ali Bongo

画像提供, Ali Bongo

軍将軍を政権移管のトップに

軍将校らは、ボンゴ氏の息子の1人を国家反逆罪の疑いで逮捕したとしている。

また、ボンゴ氏に替わる指導者として、共和国防衛隊トップのブリス・オリギ・ヌゲマ将軍が暫定的に就任すると発表した。

31日から、「ガボン国民は午前6時から午後6時までの間、再び自由に行動できるようになる」が、交通規制は当面継続されるという。

ガボンでは、ボンゴ一族の長年の統治に多くの人がうんざりしている。人々は街頭に繰り出し、心から喜んでいる様子を見せた。今のところ、クーデターに対する反発の兆しはほとんどない。アフリカの旧フランス植民地で発生したクーデターは、過去3年間でこれで8件目となる。

ただ、こうしたクーデターのほとんどは、ガボンより北のサヘル地域で起こっている。サヘル地域では、イスラム主義者の反乱を受け、民主的に選ばれた政府が市民を守れないという不満が高まっている。

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Presentational white space
Ali Bongo speaks at a recent campaign rally

画像提供, Getty Images

26日の大統領選をめぐっては、これまでの総選挙と同様、そのプロセスに重大な懸念が生まれていた。

投票終了後、政府は安全を理由に夜間外出禁止を発令し、インターネットを遮断していた。インターネットは、クーデター発生後に復旧している。

ボンゴ氏の対立候補だったアルバート・オンド・オッサ氏は、主要な投票所で自分の名前が記された投票用紙が不足していたと主張。オッサ氏が代表する野党連合は、出馬を取りやめた候補者の名前が投票用紙に記載されていたと述べている。

また、国境なき記者団は、今回の大統領選を報じようとする国外メディアが入国を禁じられていたことを明らかにしている。

ボンゴ氏の1期目と2期目の勝利時にも、野党は選挙に不正があったと主張していた。今回の選挙では、投票用紙が投票日のわずか数週間前に変更され、物議を醸していた。

ボンゴ氏は2009年、父親のオマル・ボンゴ・オンディンバ前大統領の死去を受け、政権を引き継いだ。

2018年には脳卒中で倒れ、1年近く休養を余儀なくされた。その翌年にはクーデター未遂が発生。反乱を起こした兵士たちは刑務所に送られた。

ガボンはアフリカの主要な産油国。国土の90%近くが森林に覆われている。

低下するフランスの影響力

フランス政府はガボンの軍高官らによる政権掌握を非難し、選挙結果を尊重するよう求めている。

しかし、アフリカにおけるフランスの影響力は近年、著しく低下しており、こうした呼びかけが受け入れられる可能性は低い。

実際、ガボン軍はフランスの力が弱まり、仏政府がボンゴ氏を支持して行動する可能性が低いとみて、今回の行動に出たとの見方もある。

ボンゴ氏は動画メッセージで、ガボンの公用語であるフランス語ではなく英語を使っている。これは、フランスではなく、英連邦(コモンウェルス)に向けた発言であることを示唆している。

ロシアや中国など複数の国が懸念を表明している。

欧州連合(EU)のジョセップ・ボレル外交安全保障上級代表は、軍部による政権掌握はアフリカの不安定性を増大させると述べた。「これは欧州にとって大きな問題だ」。

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