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イスラエル政府がラファの軍事作戦拡大を承認…ガザの状況悪化「5日間燃料も物資も届かず」 - 読売新聞オンライン

 【カイロ=田尾茂樹】米ニュースサイトのアクシオスは10日、イスラエル政府が9日の治安閣議で、パレスチナ自治区ガザ最南部ラファでの軍事作戦の拡大を承認したと伝えた。具体的な地域など詳細は不明だが、今後、ラファでの攻撃がさらに激化する可能性がある。

 イスラエル軍は、ラファの検問所を制圧するなど限定的な地上作戦を始めており、ラファ東部はすでに戦車部隊が包囲したとされる。

 アクシオスが報じた複数の情報筋の話によると、治安閣議で承認されたのは作戦範囲の「慎重な拡大」で、米国が反対する大規模侵攻にはあたらないという。ただ、情報筋の一人は、米国から「レッドライン(越えてはならない一線)」を越えたとみなされる可能性があると指摘している。

 一方、仲介国エジプトの首都カイロで行われていた停戦や人質解放を巡る交渉は9日、合意に至らず終了したものの、イスラム主義組織ハマスとイスラエルはいずれも交渉を続ける姿勢を見せている。

 ロイター通信によると、ハマス幹部は10日、交渉が進展しない責任がイスラエル側にあると非難しつつ、ハマスは交渉から撤退していないとの考えを示した。アクシオスによると、イスラエルの治安閣議でも交渉継続が指示された。

 ガザでは、人道状況がさらに深刻化している。国連児童基金(ユニセフ)のガザ緊急支援調整官は10日、「ガザには5日間、燃料も人道支援物資もほとんど届いていない」と述べ、燃料不足が改善されなければ、支援活動が数日中に停止するおそれがあると訴えた。ガザ南部の住民向けの食料備蓄が近く底をつくとの見通しも示した。

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