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「カトリーナ超え」のハリケーン・アイダがアメリカ南部に上陸 - Newsweekjapan

<「過去170年で最強レベル」とも言われるハリケーン。「最悪のルート」をたどっているとの見方も>

大型ハリケーン「アイダ」は8月29日、アメリカのルイジアナ州に上陸した。当局は過去170年間に同州を襲ったハリケーンの中でも勢力はトップクラスになる可能性があると警告。2005年にアメリカ各地に甚大な被害を出したハリケーン「カトリーナ」を超える勢力になるかも知れないと指摘する専門家もいる。

マイアミ大学のハリケーン研究者、ブライアン・マクノルディはAP通信に対し、アイダは「間違いなく」カトリーナよりも強くなるとの見方を示した。

上陸した際のカトリーナの強さは、5段階に分けたうちの上から3番目に当たる「カテゴリー3」で、最大風速は57メートルだった。一方、上陸時のアイダはカテゴリー4。最大風速は69メートルで、カテゴリー5(風速70メートル以上)の一歩手前だった。

サイズ的にはアイダはカトリーナより小さいものの、進む方角の影響でカトリーナよりも破壊力は強いと見られる。

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「アイダはカトリーナよりも絶対に、それも大幅に強くなるだろう」とマクノルディは述べている。「そして、最も勢力が強い時にニューオーリンズとバトンルージュを通過する。どちらもカトリーナの時は(進行方向左の)勢力が弱い側だった」

マクノルディによれば、05年のカトリーナはメキシコ湾から真北に進んでルイジアナ州に上陸した。大きいハリケーンだったからニューオーリンズなど広い範囲を覆い、通過までの時間も長かった。だがニューオーリンズが受けた被害は市のあちこちで(高潮により)堤防が決壊したことが原因で、人災と言ってもいいものだった。たしかに台風の一部はニューオーリンズ上空を通過したが、最も強い部分ではなかったのだ。

病院の屋根が吹き飛ばされる被害も

一方アイダは南東からルイジアナに上陸した。影響を受ける地域はカトリーナよりは狭いかも知れないが、最も強い部分が直接、ニューオーリンズや州都バトンルージュといった大都市を通過することになる。

アイダが上陸した29日には早くも被害の模様が伝えられている。午後4時半すぎの時点で37万2000戸の住宅が停電していたが、6時15分までにその数は53万戸へと急増した。

「ハリケーンは1つとして同じものはない」と、電力会社エナジー・ルイジアナは29日の声明で述べている。「過去に回復までにかかった時間から見て、カテゴリー4のハリケーンの直撃を受けた地域は最長で3週間の、カテゴリー5の場合は3週間を上回る停電に見舞われる可能性がある」

インターネットでも被害の様子を伝える動画が次々と公開された。ニューオーリンズの南にあるメキシコ湾に近い町ガリアーノでは、病院の屋根が吹き飛ばされる様子が撮影された。

セントバーナード郡では、アイダ通過から1時間のうちに広い範囲が洪水に見舞われ、道路が完全に冠水するまでの状況が監視カメラの映像に記録された。

このあたりには重要な工業地域もあり、数十億ドル規模の被害が懸念されているほか、重要な経済活動が止まってしまう恐れもある。そんな中、アイダの予想進路は「最悪」だと指摘する専門家もいる。

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