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トルコ統一地方選、与党が主要都市で軒並み敗北…長期政権狙ったエルドアン大統領に打撃 - 読売新聞オンライン

 【カイロ=田尾茂樹】トルコの統一地方選は3月31日、投開票された。アナトリア通信によると、タイップ・エルドアン大統領率いる与党・公正発展党は首都アンカラや最大都市イスタンブールなど主要都市の市長選で軒並み敗北した。昨年の大統領選で接戦を制し、権力基盤の再強化を図ったエルドアン氏にとって大きな打撃になりそうだ。

 5年に1度の統一地方選では市長や地方議会議員らが改選される。トルコでは通貨リラ安の進行に伴う急激なインフレ(物価上昇)で市民の生活苦が続き、大都市を中心に政権への不満が噴出した形となった。

 与党は、前回2019年に敗れた2大都市で市長の座の奪還を目指した。しかし、イスタンブールでは、最大野党・共和人民党の現職エクレム・イマモール氏が、公正発展党の元環境・都市計画・気候変動相ムラト・クルム氏に得票率で10ポイント以上の差をつけ、再選を決めた。

 共和人民党はアンカラでも現職マンスール・ヤワシュ氏が再選を果たし、主要30市のうちイズミルやアンタルヤなどを含め14市を制した。公正発展党の勝利は12市にとどまった。開票率99・9%の段階で、全土の得票率も共和人民党が37・8%と最も高く、公正発展党の35・5%を上回った。

 4年後に予定される次期大統領選で、野党の有力候補と目されるイマモール氏は「我々の国に春が来る」と勝利宣言した。昨年の大統領選で敗れた野党が今回の勝利で再び勢いづき、政権交代を目指して攻勢を強めるとみられる。

 一方、エルドアン氏は支持者らを前に「誤りがあったなら正していく」と述べた。20年以上政権を握るエルドアン氏は地方選の勝利をてこに、大統領任期を2期までに制限した憲法の改正につなげ、さらなる長期政権を狙っていたとされるが、シナリオは崩れた。トルコの政治評論家オクタイ・ユルマズ氏は「与党のかつてない敗北だ。憲法改正も困難になる」と指摘した。

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