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ウクライナとガザの戦乱、東アジアに安保の空白は生まれているのか:朝日新聞デジタル - 朝日新聞デジタル

 ウクライナに続き、中東でも戦火が広がっています。米軍は地中海に2個空母打撃群を派遣するなど、対応に追われています。東京外国語大学の吉崎知典特任教授は、「現段階ではアジアの安全保障への影響は限定的」と分析する一方、「日本政府は今から有事に備えた外交を展開するべきだ」と指摘します。

 ――バイデン米政権はパレスチナ自治区ガザ地区の情勢を巡り、イスラエル支持を打ち出すなど、強硬的な姿勢が目立ちます。

 来秋の米大統領選などを念頭にした動きという指摘も出ていますが、安全保障の観点からは「一般的抑止(general deterrence)の強化」と言えるでしょう。

 バイデン政権は2021年8月、アフガニスタンから米軍を撤退させました。22年2月に起きたロシアによるウクライナ侵攻を巡っても、米国の軍事介入を最初から否定しました。世界から「米国は孤立主義に向かっている」「米国は世界の安全保障に関与しないのではないか」という疑念の声が上がりました。

 核報復ができない状態を専門用語で「脆弱(ぜいじゃく)性の窓が開いた」と表現しますが、それに近いような「力の空白」が生まれると地域は不安定になります。敵が「米国は反撃しない」と受け止め、先制攻撃を行う可能性が高まる状態を指します。実際、ハマスによる攻撃後、イラクシリアにある米軍基地への攻撃が相次いでいます。

 2隻の空母を地中海に派遣した背景には、「米軍は世界の安全保障に関与し、抑止する」というメッセージを出し、「信頼の供与(reassurance)」の再構築を図る思惑があります。米国は「脆弱性の窓を閉めないと、ロシアやイランなどが更に安全保障を不安定にする行動に出るかもしれない」と考えているのでしょう

■米が発表した「B61核爆弾…

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