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中国、ワクチン提供の意向 台湾が反発「統一工作の一環だ」 - 毎日新聞 - 毎日新聞

中国の習近平国家主席=マカオ空港で2019年12月18日、福岡静哉撮影 拡大
中国の習近平国家主席=マカオ空港で2019年12月18日、福岡静哉撮影

 中国の習近平指導部が、新型コロナウイルスの感染拡大とワクチン不足に悩む台湾の蔡英文政権に対し、ワクチンを提供する意向を表明し、攻勢をかけている。台湾の民意を取り込み、対立する蔡政権に揺さぶりをかける狙いがありそうだ。だが台湾では中国製ワクチンの接種を望まない市民が7割を超えるとの世論調査もあり、不信感が強い。蔡政権も中国側の提案に反発している。

 中国政府で台湾政策を担う国務院台湾事務弁公室の朱鳳蓮報道官は24日の記者会見で、台湾の一部団体や市民が中国製ワクチンを「求め続けている」として、支援の用意があると表明した。その上で、台湾の与党・民進党がコロナ問題を政治的に利用して中国を中傷していると批判。中国製のワクチン提供を受け入れるよう要求した。

台湾の蔡英文総統=台北市の総統府で2020年4月1日午前10時45分、福岡静哉撮影 拡大
台湾の蔡英文総統=台北市の総統府で2020年4月1日午前10時45分、福岡静哉撮影

 台湾では5月中旬以降、感染が急速に拡大している。一方で世界的なワクチン不足のあおりを受け、各国メーカーと契約した約2000万回分のワクチンのうち、届いたのは約70万回分にとどまる。接種率は1%に満たない。

 中国紙・環球時報(電子版)も25日の社説で「ワクチン提供は人道的行動であるべきだ。台湾当局が政治的に(問題を)ゆがめるなら、感染の拡大が確実になり、さらに多くの人が死ぬ可能性がある」と台湾側の態度を批判した。

 だが台湾で対中国政策を主管する大陸委員会は、中国側から「ワクチン提供に関する情報を受けたことはない」と反発。「(台湾)統一工作の一環であることは明らかだ」と提案を拒否する意向を示した。

 蔡政権が強気な背景には台湾の民意がある。民間会社が3月上旬に実施した世論調査によると、中国製ワクチンの接種を受けたくないと答えた市民は76・1%に達した。民進党支持層では92・5%が、対中融和路線を取る野党・国民党の支持層でさえ46・7%が接種を望まなかった。

 また台湾側には、中国が台湾へのワクチン輸入を阻んでいるとの疑念もある。台湾中央通信によると、コロナ対策を統括する陳時中・衛生福利部長(衛生相)は2月、独メーカーと交渉していたワクチン500万回分の契約を巡り、中国当局の介入で頓挫したことを示唆していた。

 ただ感染が収束する見通しは立たず、ワクチンの確保は急務だ。陳氏は25日の会見で、開発中の台湾産ワクチンも含めて8月末までに1000万回分を確保すると強調した。【岡崎英遠、台北・岡村崇】

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