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加速する日豪防衛協力 秘中の特殊部隊訓練も公表、中国牽制 - 産経ニュース

共同記者発表を終え、オーストラリアのアルバニージー首相(右)と握手する岸田首相=22日、パース(共同)

日豪両首脳は22日、新たな安全保障共同宣言を発表し、防衛力強化を打ち出した。日豪の防衛協力をめぐっては、陸海空の各自衛隊とオーストラリア軍が共同訓練などを積み重ね、現場レベルでも連携が急速に深化している。陸上自衛隊は両国の特殊部隊が共同訓練を実施したと異例の発表に踏み切り、海空自衛隊も大規模演習で豪軍と関係を深める。南太平洋で海洋進出を強める中国に豪州が態度を硬化させ、対中包囲網で足並みをそろえたい日豪の意図がある。

「練度最高レベルの部隊同士が交流できるのは陸軍種間協力が発展、深化したことの象徴なので公表に踏み切った」。陸自トップの吉田圭秀陸上幕僚長は6日の記者会見で、日豪特殊部隊が8月に共同実動訓練を行ったと公表し、こう意義を強調した。特殊部隊は各国軍のエリート集団で、敵地へ潜入しての情報収集など最高難度の任務が課せられる。陸自では特殊作戦群がこれに当たる。

明らかにされたのは8月に豪州国内で豪陸軍特殊作戦コマンドと射撃訓練などの実動訓練を行ったことと訓練は平成27年以降6回目ということのみ。参加人数や場所などは不明だ。日米でも同様の訓練は行われているとみられるが、活動は一切秘匿されている。

航空自衛隊は8~9月、豪空軍主催の多国間訓練「ピッチ・ブラック」に初参加し、米国以外で初めて戦闘機を海外に派遣した。海上自衛隊は8月下旬、日米豪などの演習「パシフィック・ヴァンガード」に参加し、対地射撃訓練や対潜戦訓練などを実施した。

豪州では5月の政権交代でアルバニージー首相が就任。アルバニージー氏はかつて親中路線だったが、前政権の反中路線を維持している。豪政府には反中路線で国内世論の支持を取り付けたい事情もあるが、中国軍の活動拡大には強い警戒感がある。今年2月には、豪州北部沖の上空を飛行していた豪空軍哨戒機が海上の中国軍艦艇からレーザー照射を受けている。

防衛省幹部は日豪関係の強化について「豪州には中国艦艇が豪州付近まで進出していることに焦りもある。対中包囲網を強化したい日米の思惑とも一致する」と話している。実力部隊の連携深化は中国への危機感の裏返しでもある。(市岡豊大)

新日豪共同宣言全文 安保・防衛協力強化へ15項目

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