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ロシア産石油、12月から価格上限 G7財務相合意(写真=ロイター) - 日本経済新聞

主要7カ国(G7)の財務相は2日、ロシア産石油の輸入価格に上限を設ける措置を12月5日に導入することで合意した。上限を超える石油の海上輸送に保険会社が保険サービスを提供することを禁じる。世界の国々がロシア産を安く調達できるようにするとともに、ロシアの戦費調達を細らせる。具体的な価格は今後詰める。

オンライン形式の会議で合意した。鈴木俊一財務相は終了後の記者会見で「ロシアの収入を制限しつつ各国のエネルギーの安定供給を確保するために有用だ」と述べた。イエレン米財務長官は声明で「インフレに対抗し、米国や世界の労働者と企業を将来の価格高騰から守るための最も強力な手段の一つ」と強調した。今後数週間のうちに最終的に決定すると表明した。

6月のG7首脳会議(サミット)で導入の検討に合意していた。ロシア産石油を精製したガソリンなどの石油製品の輸入には2カ月後の2023年2月5日に上限価格を導入する。

上限を上回るロシア産石油の海上輸送に保険を提供しないよう保険会社に義務づける。保険がなければ海運会社は事故時の損害賠償のリスクにさらされる。船舶保険の世界大手の欧州勢が提供をやめれば、大部分の取引を実質的に封じる効果があるとみている。

エネルギーの安定調達に支障が出る場合は例外扱いにする。三井物産三菱商事が参画するロシア極東の石油・天然ガス開発事業「サハリン2」の石油は上限を超える価格で輸入できる。エネルギー安全保障を重視し、ロシアに供給を止める口実を与えない。

ロシアのウクライナ侵攻などで石油の国際価格が上がり、世界的なインフレの一因となっている。ロシア産石油の価格を抑えたうえで国際市場への供給が続くようにする狙いだ。上限価格はロシアの石油会社が生産コストを賄える水準に設定する。

G7は5月にロシア産石油の輸入を段階的に止める方針で一致した。中東産への需要の集中を招き、国際価格を押し上げるとの指摘もあった。ロシア産に上限価格を設けることで、原油高が大きな負担となっている途上国を支えるとともに、G7自体も輸入できるようにする。

実効性は未知数の部分がある。G7の思惑に反してロシアが上限以下の取引をやめ、国際価格が上昇する可能性がある。ほかの国がどれだけ同調するかも効果を左右する。世界の船舶保険でG7の影響力が大きいとはいえ、賛同しない国の保険会社を使えば価格に上限はない。

ドイツのリントナー財務相は「G7を超えて欧州連合(EU)の加盟国を説得したい」として、新たな措置の実効性を高めるため他国と連携を深めていく考えを示した。

現在は日米欧などが輸入を絞ったロシア産石油を中国やインドが買い増している。上限価格の設定で中印がG7に足並みをそろえるかどうかは見通せない。

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