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アジア系男性が激しい暴行で重症、NY市警が動画を公開 - Newsweekjapan

<全米でアジア系に対する暴力事件が頻発するなか、空き缶を拾っていた男性がいわれなき犯行の犠牲に>

ニューヨークでまたアジア系の男性(61)が激しい暴行を受け、昏睡状態にある。ビル・ビル・デブラシオ市長は犯人を逮捕すると怒りをあらわにした。

中国からの移民ヤオ・パン・マーは4月23日の夜、イーストハーレムで空き缶を集めているところを襲われた。ニューヨーク市警によれば、被害者は背後から近づいてきた何者かに「背中を殴打され、地面に倒れた」。「被害者が倒れると、犯人は被害者の頭を何度も蹴り、踏みつけ、徒歩で逃げ去った」という。

NY市警はこの痛ましい事件の動画を公開した。そこには地面に横たわって動かないマーを犯人が繰り返し踏みつける様子が映っていた。

ABC7ニュースの報道によれば、意識不明の状態で倒れているマーをバスの運転手が発見し、通報によって警察官が現場に駆け付けた。

マーはハーレムの病院に移送され、脳挫傷と顔面骨折が確認された。現在は人工的な昏睡状態にあると、とニューヨークポストは報じている。マーの家族も彼の現在の容態を確認した。

デブラシオ市長は事件の翌日、「言語道断の事件だ」とコメントした。

「とんでもない行為だ。われわれは絶対に加害者を見つけ、法律の及ぶ限りの厳罰に処する。この悪質なヘイトクライムに関する情報があれば、直ちにNY市警に連絡してほしい」と、デプラシオはツイートした。

止まらない憎悪犯罪

マーの家族がABC7ニュースに語ったところでは、マーは2年前にニューヨークに移住し、新型コロナウイルスの大流行のせいで仕事を失った後、少しでも金を稼ぐために空き缶を集めていた。

「私たちはショックで呆然としている。怖くてたまらないし、やり場のない気持ちだ」と、家族は言う。「叔父はとても静かな人で、働き者。トラブルを起こすような人ではない」と、マーの姪はインタビューに答えた。

マーがアジア系であるがゆえに標的になったのかどうか、警察はまだ断定していない。だがこの事件は現在、NY市警の憎悪犯罪課と第25管区の署員によって捜査されている。

「容疑者は黒人の成人男性とみられている。最後に目撃されたときは、黒いジャケット、黒いズボン、白いスニーカーと多色使いの野球帽をかぶっていた」と、警察は本誌に語った。

全米でアジア系に対する憎悪犯罪が増加しているなかで、この事件は起きた。

カリフォルニア州立大学サンバーナーディーノ校の「ヘイトと過激思想研究センター」が3月に発表した報告書によると、アメリカの16大都市におけるアジア系に対する憎悪犯罪は昨年、前年比で145%増加した。報告書では、ヘイトクライムが増加する原因の一端は「新型コロナウイルスから連想されるアジア人に対するネガティブなステレオタイプ」にあるとしている。

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