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バイデン氏、サウジ皇太子と会談 原油増産・人権を協議(写真=ロイター) - 日本経済新聞

【ジッダ(サウジアラビア西部)=中村亮】バイデン米大統領は15日、サウジアラビア西部のジッダでサルマン国王やムハンマド皇太子と会談した。バイデン氏は会談後、記者団に対してサウジが数週間以内に原油を増産することに期待すると強調した。サウジの人権問題も提起したが議論は平行線に終わった。

バイデン氏がジッダの宮殿に到着すると玄関口でムハンマド皇太子が出迎えた。両氏は拳を合わせてあいさつした。ムハンマド氏がバイデン氏をエスコートして王室関係者らを紹介した。

バイデン氏は人権問題をめぐりムハンマド皇太子を批判し、両氏は対立してきた。公の場でのやりとりは米・サウジ関係悪化に歯止めをかけたい両氏の意向を映した。バイデン氏はサルマン国王との会談後、ムハンマド皇太子やサウジ閣僚らとの実務会合に臨んだ。

バイデン氏は会談後に「世界の経済成長を支えるためのエネルギー安全保障や適切な原油供給について良い議論をした」と言及した。「私は米国への原油供給を増やすために全てのことをする。サウジとはその緊急性を共有した」と指摘。「我々の議論を踏まえて数週間で追加措置があると期待する」と話し、サウジに増産を促した。

米国では6月にレギュラーガソリンの全米平均価格が1年前に比べて約6割高い1ガロン(約4リットル)あたり5ドル台に上昇し、バイデン氏の支持率に打撃となった。

足元では原油価格が下落基調に転じた。世界経済の減速が意識されているためでサウジは原油の需給緩和を警戒している可能性があり、米国の増産要請に応じるかどうかは見通しにくい面がある。

バイデン氏は会談冒頭で2018年にトルコで起きたサウジ人著名ジャーナリストのジャマル・カショギ氏の殺害事件を取り上げたと明らかにした。バイデン政権は21年2月、ムハンマド皇太子が事件に関与したと結論づけて両国の関係が悪化する原因になった。

事件を厳しく非難してきたバイデン氏は会談で事件に関する考えを率直に伝えたが、ムハンマド皇太子はこれまで通り自身の責任を否定したという。バイデン氏は会談後にも事件について「とんでもないことだ」と重ねて批判し、人権をめぐる両者の溝は埋まらなかった。

米政府高官によると、サウジは国連主導のイエメン内戦の休戦協定を順守する考えに言及した。サウジは内戦に介入し、バイデン政権は深刻な人道危機を引き起こしたと懸念を示していた。サウジがイランを後ろ盾とするイスラム教シーア派武装勢力フーシ派からの攻撃に対処するため、米国はサウジの防衛力強化を支援する方針を確認した。

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