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ハンガリー首相の「混血の国は望まない」発言 「まさにナチスの物言い」と側近辞任 - BBCニュース

Victor Orban delivering the speech in Romania

画像提供, Reuters

ハンガリーのオルバン・ヴィクトル首相が「混血の」国になることを望まないと発言したことを受け、首相の側近の1人が26日、辞任した(編集部注:ハンガリーの名前は日本と同じ、姓+名の順番のため、そのように表記しています)。

辞任したのは首相顧問のヘゲドゥス・ジュジャ氏。ハンガリーのメディアによると、ナショナリストのオルバン首相の顧問を長年務めてきたヘゲドゥス氏は、今回の首相発言について「ナチスそのものの物言い」だと批判した。

国際アウシュヴィッツ委員会はオルバン氏の発言が「愚かで危険」なものだと指摘した。

一方、首相報道官のコヴァックス・ゾルタン氏は、「移民と同化についていくつか強く発言した部分について、主要メディアが過剰反応」しながら、肝心の首相演説の要点には触れていないと反論している。

「ナチスそのものの物言い」

問題の演説は23日、大規模なハンガリー人コミュニティがあるルーマニアの地域で行われた。

その中でオルバン首相は、欧州人は自由に混ざり合ってもいいが、欧州人と非欧州人が混ざり合うことで「混血の世界」が生まれると発言。「我々は(欧州人同士が)混ざり合うことは望むが、混血の人間が生まれることは望んでいない」と述べた。

オルバン氏は以前から、反移民の立場を取っていることで知られる。ただし、ヘゲドゥス氏は今回の演説について、容認できないと強く反発した。

ハンガリーのニュースサイト「hvg.hu」によると、ヘゲドゥス氏は辞表の中で、「(首相の)演説は(ナチスの宣伝大臣を務めた)ヨーゼフ・ゲッベルスにこそふさわしい、ナチスそのものの物言いだ。(オルバン氏が)自分でそれに気づかなかったとは、とても思えない」と批判した。

オルバン氏はヘゲドゥス氏の批判に手紙で答え、「私の政府は反ユダヤ主義と人種差別の両方に対して、絶対不寛容の方針を取っている。君はそれを誰より承知のはずだ」と、自分の発言を擁護した。

ルーマニアでの演説でオルバン氏はさらに、欧州連合(EU)がロシア産天然ガスの使用を15%削減すると合意したことも批判し、「過去を振り返れば、ドイツ式のやり方が分かる」とも述べた。これはナチス・ドイツが強制収容所のガス室でユダヤ人などを大量虐殺したホロコーストを念頭にした、軽口と受け止められている。

ハンガリー最大のユダヤ人団体は首相の演説を非難し、オルバン氏との面会を求めている。第2次世界大戦の末期には50万人以上のユダヤ系ハンガリー人が殺害されており、その多くがアウシュヴィッツ強制収容所で命を落とした。

ロシアのガス輸入増量を検討

オルバン氏はウクライナでの戦争についても言及し、西側諸国の支援は失敗した、対ロシア制裁は効いていないと指摘。和平交渉が優先されるべきだと主張した。

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と良好な関係を維持してきたオルバン氏は、EU加盟国の指導者として唯一、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領を公然と批判している。

他のEU加盟国は、ロシア産エネルギーを輸入し続けることがロシアに軍資金を提供するに等しいというゼレンスキー大統領などの批判を受けて、ロシアからの天然ガス輸入を大幅に減らすことで合意した。しかしオルバン政権からは今月半ばに外相がモスクワを訪れ、ガス輸入拡大についてロシア政府と協議した。

ハンガリーは現在、使用するガスの8割をロシアから輸入している。

オルバン政権はEUから多額の資金援助を受けているにも関わらず、報道の自由や移民問題など法の支配をめぐる問題でEUと頻繁に衝突している。

Russian gas
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