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英国、「完全離脱」でどうなる? 企業活動・市民生活に影響―ニュースQ&A - 時事通信ニュース

2020年12月31日15時30分

英仏海峡を臨む英南部ドーバー港に向かうトラックの列=2020年12月10日(AFP時事)

英仏海峡を臨む英南部ドーバー港に向かうトラックの列=2020年12月10日(AFP時事)

 【ブリュッセル時事】英国の欧州連合(EU)からの「完全離脱」で、英EUは約半世紀ぶりに別々の道を歩むことになった。企業活動や市民の生活にも今後、さまざまな影響が及ぶことになる。
 ―完全離脱って?
 英国はすでに2020年1月末にEUから離脱している。ただ、急激な変化による経済や社会の混乱を抑えるため20年末までの「移行期間」を設定。引き続きEUの法律や共通ルールが英国に適用され、加盟国同様の扱いを受けていた。移行期間が終わって英国は名実ともに離脱を果たす。
 ―今後どうなるの。
 英国とEUは移行期間中、今後の新たな関係の在り方を決める自由貿易協定(FTA)の交渉を行ってきた。運輸やエネルギー、司法協力分野なども対象で、12月24日に妥結。貿易では従来通り、英EU間の関税は課さないことになった。
 ―何も変わらないの。
 そうではない。関税ゼロが維持されても、自動車や食品の輸出入には、新たに通関手続きが必要となる。EU域内なら国境に関係なく自由に商品を販売できるので、大きな違いだ。英仏海峡の両岸でトラックの渋滞が起きる可能性もある。
 ―ほかには。
 企業は英EU間で異なる規制や製品基準への適合を迫られ、コスト増が懸念される。日本の企業も影響を受けそうだ。漁業では英海域でのEUの漁獲割当量が段階的に削減され、EUの漁業者には痛手となる。
 ―生活も変わるの。
 英国市民はこれまでのようにEU域内で自由に働けなくなり、長期滞在にはビザが必要となる。英国はEUの奨学金制度からも撤退。英留学中のEUの学生の負担は増えそうだ。
 ―なぜ離脱したの。
 他の加盟国に振り回されず、自由にルールや政策を決めたいというのが理由だ。英国は外交でも独自路線を追求し、FTAには安全保障や防衛分野の協力は盛り込まれなかった。ただ、超大国の米中のはざまで英EUがそれぞれ単独で影響力を発揮できるかは不透明だ。

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