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屋外トイレに座った女性、「下から」尻を襲われる。犯人はクマ!──アラスカ - Newsweekjapan

<便器のなかにクマが潜んでいた、という珍しい事件はどうして起こったのか>

アラスカ州で屋外トイレを使用しようとした女性がブラックベアー(アメリカクロクマ)に「下から」尻を襲わる珍しい事件があった。

被害にあったシャノン・スティーブンスは、アラスカ州ヘインズの住人で、週末に兄たちと一緒にチルカト湖を訪れていた。3人は都会から遠く離れた辺境の旅を楽しみ、円形テントに泊まっていた。

その日、屋外トイレに入ったシャノンは便座に座った瞬間、何者かの強い気配を感じ、「飛び上がって叫んだ」とアラスカの首都ジュノーのラジオ局KTOOに語った。

助けを求める声を聞いた兄のエリックは、ヘッドランプをつけて駆けつけた。トイレのフタを開けて見たところ、便座のすぐ下に「巨大なクマの顔」があり、目がまっすぐ自分を見つめ返していた、という。

シャノンは出血していて、血を止めるために包帯が必要だったが、重傷ではなかった。「ただの刺し傷のような感じだった。噛まれたわけではないと思う。爪でひっかいただけかもしれない。本当のところは、もうわからない」と、彼女はKTOOに話した。

その日の昼間、3人は凍った湖でスノーマシンを使用し、屋外の焚火台で肉を調理した。エリックはそれがクマを引き付けた可能性があると考えている。冬はクマはたいてい冬眠しているので油断していたという。

トイレの臭いがクマを引き寄せる

クマはどうやってトイレの下に入り込んだのか。地元の報道によれば、トイレは木の根の束の上に作られているため床が地面より高く、クマが潜り込むことも可能だったという。

クマは翌日にはいなくなっていた。だが屋外トイレに来たときの足跡があり、焚火台も倒されていた。

足跡の写真を分析したアラスカ州魚類鳥獣部の生物学者カール・コッホは、ブラックベアーの仕業だと思う、と語った。

「こんな目にあったのは、スティーブンスさんが初めてかもしれない」と、コッホは言う。「屋外トイレに座った途端、(下からクマに襲われるとは)実に珍しい」

クマは、臭いで屋外トイレに引き寄せられることがある。そして冬の間の活動はあまり活発ではないが、完全に姿を消すわけではない、とコッホはKTOOに話した。

つい最近も、ヘインズに近い山で友人とバックカントリー・スキー中にクマに襲われた男性が、ヘリコプターで病院に搬送されるという事件があった。沿岸警備隊によれば、男性はクマの攻撃で、頭と手に負傷した。

事件を振り返ったシャノン・スティーブンスは、今でも怪我よりもショックのほうが大きいと言う。そして「次に屋外トイレを使うときは、便器の中をまず確認する」と語った。

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