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解任されたミャンマー国連大使「抵抗する」 過去に日本留学 - 毎日新聞 - 毎日新聞

国連総会で、国軍に抗議する「3本指」を示すミャンマーのチョーモートゥン国連大使=国連提供の映像から 拡大
国連総会で、国軍に抗議する「3本指」を示すミャンマーのチョーモートゥン国連大使=国連提供の映像から

 ミャンマーの国営放送は27日、同国外務省がチョーモートゥン国連大使を解任したと報じた。2月1日のクーデター前から大使を務めるチョーモートゥン氏は26日の国連総会で、自身はアウンサンスーチー氏が率いる国民民主連盟(NLD)による文民政府を代表しているとして、クーデターで実権を掌握した国軍を真っ向から非難。事態終結のために「あらゆる手段」をとるよう国際社会に求め、大きな称賛を集めていた。

 国営放送は「彼は国を裏切った。国を代表していない非公式の団体を代表して話し、大使としての権力と責任を乱用した」と批判した。チョーモートゥン氏は国連総会で、昨年11月の総選挙で当選したNLDの議員らによる「連邦議会代表委員会(CRPH)」の声明を読み上げ、「国軍の非合法な行動にあらゆる国民が反対している」と強調。CRPHが「合法的で正式に選ばれたミャンマー政府だ」と訴えていた。

 チョーモートゥン氏は27日、解任されたとの報道を受けて「できる限り抵抗すると決めた」とロイター通信に語った。国連加盟国が新たに国連大使を派遣するには、信任状をグテレス事務総長に提出する必要がある。事務総長報道官は「ミャンマー代表の交代に関するいかなる連絡も受け取っていない」と説明。このため、現時点ではチョーモートゥン氏が正式なミャンマー大使ということになる。

 加盟193カ国の国連総会は、国軍による軍事政権をミャンマー政府として承認していない。国軍側が新たな大使を派遣しても、受け入れられるかは不透明だ。国連のブルゲナー・ミャンマー担当特使は国連総会で「国際社会がこの(国軍による)政権に正統性や承認を与えないことが重要だ」と述べ、軍政を認めることがないよう加盟国に改めてくぎを刺した。

 ミャンマー情勢では、「行動には結果が伴うことを国軍に示す」(米国のトーマスグリーンフィールド国連大使)、「民主化プロセスに逆行するいかなる行動にも反対する」(日本の石兼公博国連大使)などと国軍への批判が相次ぐ。一方、安全保障理事会で制裁など新たな措置を議論する可能性はあるが、拒否権を持ち国軍とも関係がある中国やロシアは介入を否定する立場を変えていない。

 チョーモートゥン氏は国連総会で「私たちは国際社会の最も強い行動を必要としている」などと訴えた。政府関係者が国際会議の場で、母国で実権を握る勢力に公然と反旗を翻すのは異例だ。チョーモートゥン氏は演説の最後に「反独裁」の象徴としてミャンマーのデモで使われている「3本指」のポーズを取り、「勇気ある行動」として議場から長い拍手が送られた。

 国連によると、チョーモートゥン氏は1969年生まれ。新潟県の国際大学に留学し、修士号を得ている。昨年10月に国連大使に就任した。【ニューヨーク隅俊之、バンコク高木香奈】

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