【パリ＝山田真也】パリで警察官が黒人男性に暴行する動画がインターネットで拡散し、国民の反発が強まっている。
２８日には国内各地で警察官の顔写真をネットに上げることなどを禁じる法案に反対するデモが行われたが、男性暴行事件を契機に法案が修正に追い込まれる可能性も出てきた。
仏メディアによると、黒人男性は音楽プロデューサーで、２１日に音楽スタジオに入った際、警察官数人から殴られる様子などが防犯カメラで記録されていた。警察官は暴行の際、「汚い黒人」などと発言したという。
警察官は当初、「男性がマスクを着用していなかったので拘束しようとした」と説明したが、当局は２７日、暴行容疑などで警察官４人を拘束した。マクロン大統領はＳＮＳに「恥ずべき行為だ。フランスは人種差別を許さない」などと記した。
一方、内務省によると、各地のデモには計約１３万人が参加した。下院は２４日、警察官の顔写真撮影や配信などを禁止する治安強化法案を可決した。事件を受けて「警察官による暴行の証拠が得られなくなる」などと批判の声が強まっており、上院などで修正される可能性もある。
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