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台湾、初の「自前」潜水艦を着工 中国は猛反発 - 日本経済新聞

【台北=中村裕】台湾の総統府は24日、自前による初の潜水艦の建造を、南部の高雄市で始めたと発表した。合計8隻を建造する。2024年の完成、25年の就役を目指す。中国の軍事的圧力が強まるなか、新たな潜水艦で防衛力向上を狙う。中国は、潜水艦計画に激しく反発している。

蔡英文総統は、潜水艦の着工式で中国を念頭に防衛力強化の重要性を訴えた(24日、高雄市)=総統府提供

蔡英文総統は、潜水艦の着工式で中国を念頭に防衛力強化の重要性を訴えた(24日、高雄市)=総統府提供

台湾の蔡英文(ツァイ・インウェン)総統は同日、潜水艦の着工式に参加し「平和は国防に依存している。自前の潜水艦の着工で台湾の主権を守ろうとする我々の強い意志を世界に知らしめることができる」と述べた。

建造は民間造船大手の台湾国際造船が手掛ける。ディーゼルエンジンを使った通常動力型の潜水艦となる。米国製の戦闘システムなども導入される見込み。1隻目の建造には、25年までに493億台湾ドル(約1800億円)の予算を充てた。

設計・デザインは、日本の海上自衛隊の主力潜水艦で、世界有数の高性能ディーゼル潜水艦「そうりゅう型」などを参考にしているともされる。

ただ、建造の難易度は非常に高い。台湾国防部のシンクタンクである国防安全研究院の蘇紫雲所長は「6割は台湾の技術、4割は欧米などの技術輸入に頼ることになる。完成形としては、標準的な潜水艦よりも上のレベルのものになる」と指摘した。

台湾は現在4隻の潜水艦を有する。ただ旧式で、早急な更新が課題だった。新鋭の潜水艦を持てば、海洋進出を強める中国に大きなけん制となるため、米国などに潜水艦の売却を求めてきた。

米国はブッシュ政権(第43代)時代の01年に台湾への潜水艦の売却方針を固めた。だが、最終的には中国の激しい反発などが考慮され実現しなかった。

しびれを切らした台湾の海軍の強い要望で、馬英九前政権時代に初めて自前による潜水艦(IDS)建造計画が浮上した。ただ、対中融和路線を敷く馬政権では結局、前進しなかった。16年に総統に就いた蔡英文・民進党政権下でIDS計画が加速。ようやく今回、着工にこぎつけた経緯がある。中国は以前から計画に激しく反発している。

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